あいゆう園の食育

食育について

近年、共働き、核家族化など様々な要因により、子育てをする家庭の生活環境も多様化してきました。
その影響を受け、保育所保育指針には子どもたちの食生活について次のように記されています。

  • 保育所における食育に関する指針 第1章 【抜粋】

    保育所は1日の生活時間の大半を過ごすところであり、保育所における食育の意味は大きい。食事は空腹を満たすだけでなく、人間的な信頼関係の基礎を作る営みでもある。子どもは身近な大人からの援助を受けながら、他の子どもとのかかわりを通して、豊かな食の体験を積み重ねることができる。楽しく食べる経験を通して、子どもの食への関心を育み、「食を営む力」の基礎を培う「食育」を実践していくことが重要である。

  • 食育の推進 保育所保育指針 第5章3

    保育所における食育は、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標として、次の事項に留意して実施しなければならない。

    • 子どもが生活と遊びの中で、意欲を持って食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。
    • 乳幼児期にふさわしい食生活が展開され、適切な援助が行われるよう、食事の提供を営む食育の計画を作成し、保育の計画に位置付けるとともにその評価及び改善に努めること。
    • 子どもが自らの感謝や体験を通して、自然の恵みとしての食材や調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員との関わりや、調理室など食に関わる保育環境に配慮すること。
    • 体調不良、食物アレルギー、障害のある子どもなど、一人一人の子どもの心身の状態等に応じ、委託医、かかりつけ医等の指示や協力の下に適切に対応すること。栄養士が配置されている場合は、専門性を生かした対応を図ること。

食育への取り組み

あいゆう園では、前身のちゅうりっぷ学園の頃より約30年以上に渡り園内調理による給食の提供を行っています。
私立学校の中ではとても早い段階から、食育に対する取り組みを開始しています。

  • 園内調理による完全給食制の導入

    • 園内で調理したできたてで、温かい食事を毎日提供しています。
    • 専任の栄養士の配置により、栄養バランスの取れたメニューを提供しています。
    • 栄養士2名、調理員3名体制でメニューに工夫をこらして調理しています。

  • 食事を楽しむ取り組み

    • 自然に恵まれた園の特色を生かし、竹の子掘り、じゃがいも掘り、さつまいも掘り等、様々な体験を通し食育の育ちを感じ、収穫の喜びを味わう取り組みをしています。
    • 子どもたちが自ら収穫した野菜を、給食のメニューへ取り入れています。
      自分たちで収穫した野菜などを、とてもおいしそうにいただいています!
    • 毎月の誕生会の時には、誕生日を迎えた園児の保護者を招待し、園児と共に給食をいただく機会を設けています。

  • 長時間保育に対する取り組み

    • 長時間に渡って保育を行う園児を対象に、おやつの時間を設けています。
      スナック菓子等市販の菓子に頼らず、園内で調理し、栄養バランスを考えたおやつを中心に提供しています。

  • 食事のマナーや、感謝の気持ちを育てる取り組み

    • 収穫した野菜を使った料理や、様々な食材を使ったメニューにより、苦手なものでも少しづつ無理なく食べられるように、偏食矯正のお手伝いをしています。
    • 園内にある調理室に直接子どもたちが給食を取りに行き、「いただきます!」と大きな声で挨拶をし、作ってくれたことに感謝しています。
    • 各家庭に向けて、栄養士による給食便りの発行を行い、食育に対する関心を高めています。

あいゆう園の畑

あいゆう園は、園で所有している畑で毎年「じゃがいも」と「さつまいも」を作っています。
いもの種や苗を植えるところから始まり、使用する肥料は「鶏ふん」と、給食で食べる白米を玄米から精米する際に出る「米ぬか」のみを使用しており、科学的な農薬は一切使用していません。 畑に生える雑草も、除草剤などは一切使用しません。園の職員や、保護者の皆様の手をお借りして、手作業で除草しています。
水も、足りない時には井戸水をくみ、畑に撒く事はありますが、基本的には自然の雨と畑が含有している水分のみで育てています。畑の水分は、近隣の森林から流れてくる天然由来のものです。

園児たちは芋の作付けをするところから始まり、収穫の時期には自分たちの手で掘り出します。掘り出した芋は、各ご家庭に持ち帰っていただいたり、給食のメニューに取り入れたりしています。
園児は野菜が育つ過程を見て、自分たちで収穫する事により、「食べているものが何なのか」に興味を持ち、「食べる事の大切さ」を理解していきます。

また、自分たちで収穫した野菜を食べる事により刺激を受け、好き嫌いを克服し、色々な野菜を食べられるようになる園児も少なくありません。

近年では子どもたちの食の好き嫌いが激しく、特に野菜を食べない子が増えてきています。大人と違い、成長期の子どもたちが野菜を食べない事による心身への影響は、決して軽くはありません。身体の成長や健康に及ぼす影響はもちろん、精神面にもイライラしやすくなったり、落ち着きがなくなったり、気分が沈みやすくなったり等、様々な影響が出てしまうと言われています

あいゆう園では畑での色々な体験を通じて、子どもたちの「食べる事」への意識を高め、成長を促す取り組みを行っています。好き嫌いが多かった園児たちが、卒園する頃には給食を食べきり、ピカピカきれいになった食器を、周囲の友達と笑顔で喜びあう。それが園が目指す「食育」の姿です。

あいゆう園の給食のお米について

あいゆう園では、自園の給食に「龍ケ崎市産のコシヒカリ100%」を使用しています。

このコシヒカリは園長が所持している水田で作られたもので、卒園児の農家の方に委託し、毎年作っていただいています。
新米の時期に収穫し、玄米の状態で大型冷蔵庫で保存。給食で使用する際に理事長がその都度精米し、給食室に持っていきます。給食室にも米専用の小型冷蔵庫があり、そこで保管されるので高い品質を保っています。
精米も、単純に精米機で真っ白に精米するのではなく、理事長が半分手作業でゆっくりと精米し、米の栄養価が下がりすぎないようにしています。その為、あいゆう園の白米は少し黄色みを帯び、甘みが強いのが特徴です。
精米したお米は、園児や職員が毎日食べる給食に使用されます。その為、精米されてからおよそ半月前後で食べきり、常に新鮮な白米に切り替わっていくのです。

現在の日本の食事情では、流通している加工品をはじめ、摂取できる栄養素が全体的に足りないと言われています。あいゆう園では大切な成長期にある園児たちの、心身の健全を支えるため、様々な「食育」を行っています。その中でも大きなこだわりを持つ「主食のお米」を、是非召し上がってみてください。